「あの人、いい人なんだけど仕事できないよね」「あの人、仕事はできるけど、絶対一緒に仕事したくないよね」。どちらも言われたくない言葉です。人事コンサルタントの西尾 太さんが、バランスが取れた“評判のいい人材”になるヒントを示してくれました――。
※本稿は西尾 太『アフターコロナの年収基準』(アルファポリス)の一部を再編集したものです。
「あの人、いい人なんだけど仕事できないよね」
組織の中で生きていくにせよ、フリーランスとして生きていくにせよ、大事になってくるのは人間関係です。
SNSの影響なのか、近年は空気を読むことばかりが重視され、流行語になった「忖度」もビジネスパーソンにとって欠かせないものになっています。もちろん仕事をするうえで、空気を読むことも忖度も大事ですが、問題はそのバランスです。
周囲に忖度ばかりしていると八方美人になってしまい、人としての信頼が得られません。空気を読んで職場の人気者になっても、それだけでは年収は上がりません。
「あの人、いい人なんだけど仕事できないよね」
どの職場にもそういう人はいますよね。憎めない人であることも多いのですが、今後の厳しい時代を考えると、生き延びていくのは難しくなってくるでしょう。
目指すべきは、人気者でなく、仕事もちゃんとできる「評判のいい人材」です。
新人でもマネジメント能力は必要
「いい人」であることと「仕事ができる人」のバランスの参考にしていただきたいのが、マネジメントと年収の相関関係を表した次の図表です(図表1)。
マネジメントは、管理職だけに必要なものではありません。たとえ新人やメンバークラスであっても、自分自身を自己管理できるマネジメントスキルが求められます。
人に関するヒューマンマネジメントと、PDCAを回すタスクマネジメント、これは仕事をするうえで、どんな人であっても大事になることです。