タンパク質や脂質と糖が結びついてできる物質「AGE」が健康や美容面で注目されている。糖尿病専門医の牧田善二氏は「900組の双子のうち、どちらが老けて見えるかを判定してもらい、その後、7年間追跡した海外調査では、老けていると判定されたほうの人の死亡率が約2倍高かった。見た目の若さや老け具合は、シワやたるみなどで判断されます。そこにはAGEの蓄積が影響すると考えられています」という――。

※本稿は、牧田善二『20万人を診た老化物質「AGE」の専門医が教える老化をとめる本』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。

「老けている」と判定された人の死亡率が約2倍高かった

【ふけ顔といわれた】
見た目がふけていると体も老化している?

同じ歳でもふけて見える人と若く見える人がいます。外見がふけて見える人は、体の中身もふけている。つまり、体も老化している可能性がある、という研究結果が2009年に発表されています。

2009年デンマークで報告された研究によると900組の双子の写真を用意し、それぞれの双子のうち「どちらがふけて見えるか」をほかの人たちに判定してもらいました。そののち双子を7年間追跡調査し、「ふけている」と判定されたほうの人の死亡率が約2倍高かったことがわかりました。

また、「コペンハーゲンシティハートスタディ」に参加した40歳以上の1万885人を対象として35年間追跡調査した結果では、見た目の老化サイン(前頭部または頭頂部の脱毛、耳たぶの溝、まぶたの黄色腫など)と心筋梗塞の発症率との間に有意な相関関係があることが明らかになりました。

見た目の老化サインが多いほど心筋梗塞発症率が高くなったのです。老化のサインを3、4個もつ人は、心筋梗塞のリスクが57%、心臓病のリスクが39%上昇しました。

加齢は見た目において、シワやたるみなどで判断されます。これらは、AGE(Advanced Glycation End-productsの略で「終末糖化産物」=タンパク質や脂質と糖が結びついてできる糖化した物質)の蓄積が影響すると考えられています。