新型コロナウイルスは私たちの日常を大きく変えた。メンタルコーチの大平信孝氏は「不安を感じるのは当然のことだ。解消を目指すよりも、希望や目標を持ったほうがいい。まずは『10秒アクション』から始めるのがおすすめだ」という――。
スマホを使用するマスクを着用した女性
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コロナ禍で「漠然とした不安を抱える人」が増加

令和3年という新しい年がはじまって、もうすぐ3カ月がたとうとしています。どんな毎日をすごしていますか。

新型コロナウイルスを契機として、仕事も日常生活も大きく変化しました。「日本で実施するのは難しい」と言われていたリモートワークや在宅勤務が、あっという間に広がりました。イベントや研修、飲み会などのリモート開催も当たり前になりつつあります。その一方で、企業の倒産や失業、健康不安などから、漠然とした不安を抱える人が増加しています。

「このままではまずい。どうにかしないと」と思いながらも行動できずにいる人と、状況の変化をいかして着実に行動している人との間で二極化が進んでいます。終わりの見えない不安にどう対処していったらいいのでしょうか。

先行き不透明なときに、不安になるのは自然なこと

今、不安に押しつぶされそうな方に最初に知っておいてほしいことは、「不安を完全になくすことはできない」ということです。ですから、不安をゼロにするための努力をしすぎないでください。それよりも、不安に対処する方法を知って、実践するほうが効果的です。

先行き不透明なときに、この先の生活や仕事、人生を考えると不安ばかりが出てきてしまい、落ち込んでしまうのは、脳の防衛本能ですから自然なことです。脳は非常時には、命を守るために希望や期待よりも不安を強く感じるようにできています。ですから、まず否定しないで受け入れてください。誰でも、一時的に不安になることは致し方ない自然なことです。

むしろ、本当は「焦っている・不安・心配・怖い」など、危険信号が点滅しているのに無視しているとしたら、そのほうが危険です。