身の回りにエルメス、BMW、デパコス、家にエレベーターや螺旋階段
実際の音大生に会って話を聞いたこともありました。高校の吹奏楽部で才能を磨かれ音大の管楽器の科に進んだ人の中には、庶民的な家庭の人も結構いるそうです。弦楽器やピアノ、声楽などには、家がお金持ちの人も多いとか。音大あるあるとして、「エルメスのスカーフでバイオリンを包む」という風習も聞いたことがあります。
●「付属出身の子はBMWに乗ってヴィトンのアイテムを持っていたり。付属出身はだいたい良いカバンと靴」
●「声楽科の子の発表会でピアノ伴奏すると、お礼をもらえるのですが、良い育ちの子はお礼がデパコス(デパートで販売している高級化粧品)や高級なお菓子」
●「ピアノ科で、家にエレベーターと螺旋階段がある先輩がいました」
●「お金持ってる子はあまり学校で見かけないです。家に練習するスペースあって好きなタイミングで弾ける」
●「邦楽の琴は、楽器に蒔絵や象牙を付けると価格がどんどん上がっていきます。おばあちゃんが家元という子が、楽器をいっぱい持っていました」
といった学生さんのエピソードが印象的でした。
楽器だけでなく発表会でのドレスやスーツなど何かとお金がかかります。服装といえば、リサーチも兼ねて某音大のキャンパスにある一般人も入れるカフェに行ったのですが、音大生の女子が皆さん洗練されてきれいな服装なのも印象的でした。
ピアノ科では「グッチのバンブーバッグよりプラダのバッグが格上」
『愛すべき音大生の生態』の担当編集者の小室彩里さん(小室圭さんと血縁関係はありません)も、東京音大生時代を振り返り「ピアノ科の友達は今考えるとすごいお金持ちでした。皆ががんばってプラダのバッグを持ったりしている中、彼女はグッチのバンブーバッグを持っていました」とおっしゃいます。
プラダもグッチも同じ一流ブランドというくくりだと思っていたら、そこには微妙な差があったとは……今にいたるまで気付けていませんでした。ハイブランド内の序列に詳しい編集・小室さんも、普通よりはお嬢様だと思われます。経済的に裕福だとセンスが磨かれるのかと聞くと「環境としてそのほうがいいと思います」という返答がありました。
お金がかかる部分でいうと、レッスン代も必要です。ふだんの授業以外に、ついている先生の個人レッスンを受けるのが原則だそうです。
「私は長期休みの時に先生のレッスンを受けていました。行かないっていう選択肢はなかったです(笑)。1時間1万円は平均の価格。私の先生は自宅とは別に防音のレッスン室を持っていました」