「絶対」「一般論として」「あまり」が口癖の人は危ない
口癖で言えば、「絶対」が多い人は危ない。話に自信と裏付けがない証拠です。「そんなことは、120%ありません」と断言するのも怪しい。通常の百分率でないのなら、分母が不明だからです。
また、日常的に本心を隠そうとしたり、暗に警告を発するような言い方をする人にも注意が必要です。たとえば、人にあてこするときの常套句で、「一般論として」があります。「一般論として言うけれども、顧客と会うときは上司に一言言っといたほうがいいんじゃないかな」というセリフは、一般論ではなく、あなたの具体的な仕事に対する文句です。
「あまり」にも、気を付けたほうがいいです。何か不手際が起きた際に、「私は気にしていません」と言われるのと、「私はあまり気にしていません」と言われるのでは、意味がまったく違います。前者は「気にしていない」けれど、後者は少し「気にしている」わけです。このような言い方をする場合、かなり気にしていることが多い。
「あまり」や「どちらかと言えば」といった、ものごとを和らげるニュアンスの言葉は、デジタル思考を用いて事柄の本質をイエスかノーかに還元したほうがいいでしょう。「いまのところ」「とりあえず」など、留保条件がつく言葉をよく発する場合も要注意です。
「調子はどう?」→「普通」と答える人は、何も答えていない
比較級やスライド話法も危険です。「Aさんはいい人。Bさんはとてもいい人」というとき、Aさんはよくない人という意味の場合があります。以前のお寿司屋さんは、上、中、並の3つのランクがあったのに、最近は並を嫌うせいで特上、上、中になり、並のランクがないお店が増えてきたようなものです。
「調子はどう?」と訊かれて、「良い」「悪い」ではなく「普通」と答える人は、何も答えていないのと同じ。「普通」とはどういう状態なのか相手にはわからないので、本心を隠そうとしているわけです。
このように、相手の言動や見た目をよく観察していれば信用できるかどうか、だいたいは見抜けます。ところが息を吸ったり吐いたりするように、平気で噓をつく人間もいます。先天的な才能であり、天性の詐欺師と言える人物ですから、見た目にはわかりません。ただしカリスマセールスマンや宗教家には、紙一重の人がいます。
こういう人たちには決して勝てません。私も騙されることがあります。付き合ったら負けですから、痛い目に遭ったと気づいたら、早く逃げることです。