「金融業」=「情報産業」だ

【田中】先ほど49歳のときに、インターネット×金融で天命をお感じになられたということでした。もともと野村證券に入られて、帝王学的にかなり特別な教育も受けられ、M&Aなど様々なお仕事をされて、非常に重大な事業や取引をされてこられたと思います。49歳にインターネット×金融に出会った時に、相当特殊だったのでしょうか?

立教大学ビジネススクールの田中道昭教授
立教大学ビジネススクールの田中道昭教授

【北尾】アメリカではすでにインターネットの世界が広まりつつありましたが、日本ではまだまだという状況でした。そういう状況の中でちょうどモルガン・スタンレーのインターネット業界のアナリストだったメアリー・ミーカー氏が、インターネットと一番親和性のある業種は金融業だと分析されていたのです。

よくよく考えてみると、金融業は、モノのデリバリーを伴わなくても、情報さえ伝われば、ことが済むのではないか。金融業はイコール情報産業で、情報産業だとすれば、デジタルの方が、アナログよりもっとフィットするのではないかと言えるわけですね。実際自分でトライした結果が、SBIグループの今日に至るということです。