寝る3時間前までに食事をすませる
「夕食」については、まず食事の時間帯から見直してみましょう。“時間栄養学”では夜は体に脂肪をためやすい時間帯であることがわかっています。できれば、「寝る3時間前までに食事をすませる」のが理想です。忙しい日も遅くとも2時間前までには夕食を終えるよう意識します(変える行動目標)。1日3食の配分も、「朝食」や「昼食」でしっかり食べて、「夕食」は腹八分目にすると良いでしょう。
また、テレワークになってから「夕食後にも、ついスマホやパソコンを見て夜更かしをしてしまう」「夕食後の夜食にお酒やお菓子を食べてしまう」といったことも体重の増加につながる行動です。
「夜遅い夕食を減らす」、「夜食を控える(減らす行動目標)」などにより、睡眠の質もよくなり、体重も減りやすくなります。夜型を朝型の生活習慣に変えることがとても重要です。
低糖質ダイエットで、集中力が低下する?
なお、体重を減らすといっても、最近はやりの、極端に糖質を減らすようなダイエットは危険です。糖質は体内でブドウ糖になり、私たちの活動を支えるエネルギー源となります。極端に糖質を制限してしまうと、体内の脂肪や筋肉を分解してエネルギーを得ようとするため、筋肉量が減少する可能性があります。
一方でエネルギーが不足しないよう、肉類ばかりを摂りすぎると、体重は減少しても、肉の脂に多く含まれる飽和脂肪酸の摂取量が増えてコレステロールが上がる要因にもなります。
さらに脳はブドウ糖が主なエネルギー源ですから、エネルギーが不足して集中力が低下するなどの弊害も出てきてしまいます。
テレワーク中に増えた体重を減らす場合は、急激に減らすのではなく、1カ月に1kgずつのゆっくりペースで、筋肉をキープしながら行うことがポイントです。
特に感染症が流行している今、しっかり栄養をとって、健康をキープしながら、体重管理することが重要になります。
昨年秋に出版した『おうち太り・栄養不足・自炊疲れ すべて解決! テレワークごはん』(女子栄養大学 栄養クリニック監修)では、手軽に栄養をしっかりとりながら、健康と体重をキープするワザと、それらを無理なく実践するためのアイデアと料理をたくさん紹介しています。「15分で作れる昼ごはん」など、「早・うま・栄養しっかり」レシピも充実しているので、ぜひ参考にしてみてください。
実はかくいう筆者も、昨年テレワークになった折、「栄養つけなきゃ」と食事をしっかり食べ、そしてついついお菓子もつまんでいたら、あっという間に1カ月半で2kg体重が増加。その後、上記の本を企画し、自分でもアイデアを実践しながら、1カ月で1kgずつ戻しました。特に「1日2回体重を量る」はその後も続けています!
テレワーク中、沼にハマったなと思ったら、まずは1つ「行動目標」をたてて、1週間続けてみてください。きっと「体が少し軽くなった」「調子がいい」など何らの効果を実感できるはずです。そうして1つずつ試していくうちに、新しい働き方に合わせた、新しい自分の食事スタイルがみつかるはずです。