※本稿は、女子栄養大学栄養クリニック監修『テレワークごはん』(女子栄養大学出版部)の一部を再編集したものです。
テレワークで健康になる人、太る人
テレワークで3食、自宅でとるようになったビジネスマンも多いことでしょう。
女子栄養大学栄養クリニック(※)の管理栄養士、春日千加子さんによれば、昨年から増えたテレワーク中の食生活で、ビジネスマンは大きく2つの傾向に分かれるそうです。
・テレワークで飲み会が減り、家で食事することが増え、さらに空き時間にも運動をするようになり、以前より健康になったAさん。
・テレワークで、通勤時間が減って運動不足になり、仕事の合間に間食もつい増えて、体重の増加とともに、血糖値などの数値が悪化してしまったBさん。
昨年を振り返って、あなたはどちらでしたか?
春日さんによれば、Bさんのようなケースは、「テレワークで陥りがちな食生活の5つの沼」にハマっていることが多いそうです。
※女子栄養大学栄養クリニックは、医師の管理のもと、
テレワークで太る人の「食生活の5つの沼」
【一の沼 同じように食べてもなぜか太る】
テレワークでは、往復の通勤がない分、思っている以上に活動量が減っています。例えば、徒歩20分、電車(立つ)40分の場合は、往復で266kcal(※)消費しています。これだけ消費カロリーが減っているので、特に運動をすることなく、通勤時と同じように食べていると、
体重は着実に増加していきます。
※体重50kgの女性の場合。(エネルギー算出/女子栄養大学金子義徳教授)
【二の沼 糖質中心になりがち】
パスタやチャーハンなど、めんやごはんものが増えると、糖質(炭水化物)のとりすぎや、野菜やたんぱく質不足になりがち。
【三の沼 1日2食になりがち】
3食用意するのが大変で、つい朝食や昼食を抜いてしまう……。じつはこれは、体重が増加しやすい食べ方です。特に朝食は重要な“体内時計”のスイッチ。午前中の仕事の能率に影響します。
【四の沼 インスタントや市販食品に頼りがち】
市販のお弁当やインスタンラーメン、レトルトのカレーやパスタソース。これらの食品は塩分や脂質が多く、野菜が少ないため、活用の仕方にくふうが必要です。
【五の沼 仕事中にお菓子をつまみがち】
仕事中、口さみしくなってついお菓子を食べて気分転換。人目もないからつい食べ過ぎてしまいがち。
以上が「5つの沼」です。
「もし心あたりがあったら要注意! このような食習慣を長期にわたって続けてしまと、血液中の血糖や中性脂肪、コレステロールなどが増えやすくなり、動脈硬化や生活習慣病につながっていきます。また、新型コロナウイルスなど感染症への抵抗力も弱まってしまいます」(春日さん)