M&Aにより数字が大きく変動するケースも
プレジデントオンラインは、全上場企業の「平均年収ランキング(2020年版)」を作成した。基にしたデータは直近の年次決算期における有価証券報告書(2019年7月期~2020年8月期)。データ抽出では企業価値検索サービスの「Ullet(ユーレット)」の協力を得た。
このうち平均勤続年数が短い「ワースト300社」のランキングでは、KADOKAWAが1位となった。従業員数1585人で平均年齢は42.1歳、平均勤続年数は0.7年だった。設立は2019年で、出版事業、映像事業、ゲーム事業などを展開する。同社の広報は「平均勤続年数は、2019年7月1日付で連結子会社KADOKAWA(現KADOKAWAFuturePublishing)のすべての事業(ビルディング・ブックセンターおよびKADOKAWAKEY-PROCESSの株式の所有に係る事業を除く)を承継する吸収分割により事業持株会社に移行した2019年7月1日を起算日としたため」と話す。
2位はアイフリークモバイルで平均勤続年数1.3年。設立は2000年で、モバイルコンテンツ事業とコンテンツクリエイターサービス事業を展開する。従業員数は271人で平均年齢は42.1歳だ。平均勤続年数は昨年の3.2年から1.3年と大幅に短くなっている。その理由について、同社の広報は「今年度は3つの大幅な増員があった。1つは2019年10月に福岡から東京に本店を移転し体制を構築する際に社員数が増えたこと。次に2020年1月にM&Aをした2社の合計400名程度のエンジニアが加わったこと。最後に、新入社員の数が増えた」と説明した。
3位はスシローグローバルHDだ。設立は1984年で、回転寿司チェーン「スシロー」や海鮮居酒屋を全国展開する。従業員数は169人で平均年齢は40.8歳、平均勤続年数は1.5年だった。同社の広報は「さらなる事業拡大に向けて2015年にHDを設立し、17年東証一部に上場した。18年10月には子会社から多くの従業員がHDへ転籍したが、子会社の在籍期間を含めず、転籍時点からの勤続年数を表記している」と話す。