家計改善の結果、月の黒字がわずか1万円→16万円へ急上昇

実際、徐々に支出をコントロールできるようになり、翌月には15万5000円も支出をコストカットでき、毎月の黒字額がこれまでわずか1万円だったものが、16万5000円に増えました。毎月これだけの余剰金ができるのなら、ボーナスの支給が大きく減ったとしても、約40万円の住宅ローンのボーナス加算を払っていけそうです。

ポイントは、この家計改善後の暮らしをしっかり継続できるかどうか。それが中山さん夫婦の課題です。

一万円札の接写
写真=iStock.com/hiorgos
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武さんとしては、家計改善を考え、改善策を取り組み始めてからここまでできるまでの1カ月強、かなりしんどかったと言います。なぜなら、幸恵さんと「今日はいくら使った」「あと、いくら残っている」と必死にやりくりを考えたり、新しい生活様式(小遣いの中で多くの支出を賄うことや、昼食を持参して仕事に行くことなど)を実践したりすることが負担だったから。

今までは収入が十分にあり、お金のやりくりを心配することがなく自由にしてきたそうですから、仕方がないかもしれません。ですが、幸恵さんの励ましや協力もあり、さじを投げずに続けることができているようです。

まだ30年以上残っている住宅ローンやコロナ禍のことを思えば、もしかすると、こういった取り組みはしばらく必要になるかもしれません。武さんには、少ないお金でも充実した暮らしをできるような習慣づくりをしてほしいですし、中山家としては、夫婦の収入が元に戻ってきたとしてもお金を残す暮らしを継続し、老後資金など将来的にお金を残せる家計づくりを目指してほしいです。

コロナ禍を乗り切るべく、ともに頑張って家計を維持しましょう

収入額は世帯によってことなりますが、コロナでの減収で家計が苦しくなったという家庭は多いです。中山さんのように、ある程度収入が保たれた状況はまだ幸せなほうで、もっとギリギリで苦しい、という方もいらっしゃるでしょう。

収入が少なく暮らせないという方は、まず収入を少しでも上げることを考え、それは不可能であれば自治体などの支援を受けることを検討するべきでしょう。幸いにして暮らせるほどの収入がある場合は、大切なお金ですから、効率よく無駄のない使い方を考え、実行するべきです。

そんな新生活習慣は、最初はツラく感じることもあるかもしれませんが、今は、とにかくできることをしっかりとすることが大切です。ムダ遣いをせず、計画的にお金を使う。そんな家計管理の基本は、いつの時代も変わりません。ともに頑張っていきましょう。