菅首相からコロナ収束への取り組みと決意を国民に伝えてほしい
産経社説は指摘する。
「菅首相は対策本部の会合後、記者団に対して政府の方針を説明したが、いつから、どの地域を対象に『GoTo』事業を一時停止するのかという肝心な点を説明しなかった」
「運用見直しは、都道府県知事と連携して行うというが、対象地域の決定は五月雨式で構わない。早急に具体策をまとめ、公表してもらいたい」
見出しも「『GoTo』見直し具体策を一日も早く示せ」である。いまが正念場である。菅首相には自らのGoToキャンペーンに自信をもって対応してもらいたい。
産経社説は最後にこうも主張する。
「菅首相が取り組むべきことはまだある。臨時国会の会期末(12月5日)を待たずに記者会見に臨み、自らの言葉でコロナ収束への取り組みと決意を国民に伝えることだ」
その通りだと思う。「自らの言葉」こそが、国民の心を捉えるのだ。
不安を煽るほど、「GoToもやめるべきだ」といった声が多くなる
次に11月22日付の毎日新聞の社説を読んでみよう。
「GoToの運用見直し 危機感強め十分な対策を」との見出しを掲げ、前半部分でこう訴えている。
「政府は方針転換を強いられた形だ。社会・経済活動と感染対策を両立させるとはいえ、危機意識が薄かったと言わざるを得ない」
「感染者の急増は大都市だけでなく地方にも広がっている。重症化リスクが高い高齢者の感染も増えている」
「クラスター(感染者集団)の発生場所は接待を伴う飲食店にとどまらず多様化し、感染経路が追えないケースも多くなっている」
「実態を十分に把握できず、感染拡大の防止が困難になってきているのが実情だ」
「方針転換」「危機意識」「重症化リスク」「感染経路が追えない」「感染拡大の防止が困難」という言葉を使って、読者の不安をやたらと煽っている。季節性のインフルエンザや風邪が冬場に流行するのと同じで、冬に一定の感染拡大が起きるのは予想されていた。不安を煽る必要はない。不安を煽るほど、「GoToもやめるべきだ」といった声が多くなる。それは科学的で冷静な判断ではない。