スキーリゾートは復活の兆しを見せている

コロナ禍下にあり、足元はインバウンドゼロの世界である。だが、GoToキャンペーンもあり、国内旅行消費額の8割を占める日本人による旅行消費額の増加や、テレワークやワーケーションによるリゾート地への関心の高まりなどにより、既にブランド力が確立されているスキーリゾート地は、徐々に息を吹き返してきている。

そして、コロナが落ち着き、渡航解禁された暁には、海外富裕層を中心としたインバウンド需要により、外資系ラグジュアリーホテルがあるようなブランド力あるスキー場はより輝きを増すといった展開も望めよう。ニセコに加え、白馬や富良野、ルスツ、トマムなどがその筆頭候補だ。

小規模で赤字続きのスキー場が消えていく

一方で、コロナ後であっても、国内スキー人口の減少や降雪不足、過疎化や少子高齢化といった問題は解消しそうにない。知名度や魅力で劣り、資本力がなくリフトやゴンドラの更新やスマホ対応など設備投資ができないスキー場は、この先さらに淘汰されることになろう。

観光庁の「スキー場事業者に対するアンケート調査」によると、全国のスキー場の半数以上は公的セクターが経営に関与している。また、全国のスキー場のうち48%はゴンドラ・リフト合わせて1~3本しかない小規模スキー場であり、40%が赤字であるという。しかも、ゴンドラ・リフトが合わせて5本以下のスキー場では半数以上が赤字なのに対し、6本以上のスキー場での赤字割合は27%にとどまる。

ゴンドラ・リフトの保有数と赤字割合の関係
画像=観光庁「スキー場事業者に対するアンケート調査結果」より

過疎化や人口減少、少雪化も踏まえると、公的セクターが運営するような小規模で赤字続きのスキー場を中心に廃業が進み、10年後には、現在500前後あるスキー場が、300前後にまで大幅に減少する可能性がある。

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