強引な手法は米国経済の衰退を加速させることになる

今年8月に発表された世界ユニコーン・ランキング(Hurun Global Unicorn Index 2020)では、バイトダンスは第2位にランクインした。今回のトランプ大統領の一連の制裁がなければ、近々上場の企画をしていた。いまは上場どころか、大統領令への対応に追われている。とくにバイトダンスの最も優良な資産とみられるTikTokが、今後アメリカで事業を行うことはほぼ不可能だ。これから制裁がエスカレーションするリスクもあり、そうなればバイダンスの企業価値はさらに落ちる。

しかし、バイトダンスに対して会社の資産(この場合はTikTok)を略奪するようなトランプ大統領の一連の制裁は、他の中国企業に警鐘を鳴らした。これから米国に進出しようとしている中国企業は、計画を凍結し、既存の中国企業も米国市場から撤退するだろう。また、中国以外の国の企業にも、米国への投資や進出に大きなリスクを感じさせるものになった。

トランプ大統領の強引なやり方は、短期的には米国企業や米国経済にプラスになるように見えるが、長期的に見ると200年にわたって培った自由、平等、公平競争の価値観に傷つけ、米国経済の衰退を加速させることになるだろう。

(※3)TikTokの新CEO、「われわれは連邦法に従う米コミュニティの一員」と主張

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