日本経済が劇的に元気になる秘策

その1つが、住宅建て替え促進「大都市市街地の再構築」だと思っている。
アイデアのヒントは中国にある。中国に行くと、地方都市の市庁舎の豪奢さに驚かされる。どこの市町村も唸るほど金を持っているからだ。

なぜか。秘訣はただ1つ。市政府が農民から農地を買い上げて、翌日には用途変更して商業地として75年リースなどで売る。売る際は商業地としての将来価値で値段を決めるから、大変な値段で売れる。この差額が市に丸々入るのだ。農民から土地をひたすら買い取って商業地に転用できるから、その財源でインフラ投資などができる。

この手口を日本で応用すればいい。山手線の内側の建物の平均階層率は2.6階。パリの都心部が平均6階だから、パリ並みにしようと思えばまだ倍以上建てられる。江東区や荒川区などの下町も低層住宅、消防自動車も入らないような住宅密集地帯がまだまだ多い。大震災がくれば液状化するような地盤がまだ半分以上というゼロメートル地帯が広がっている。

そうした低層エリアをブロックごとに都が買い上げて、土地改良から始めて超近代高層住宅・商業地域につくり変える。電線やブロードバンド、上下水道などのライフラインはすべて地下に埋め込み、1カ月分の食糧備蓄庫まで備えて、その上に容積率1600%の高層住宅・事務・商業施設をつくる。

今まで住んでいた人たちは建設期間中、公営住宅に移ってもらい、住宅が完成したら管理費の負担だけで住めるようにする。都市計画法が改正されて、今は住民の3分の2以上の賛成があれば工事を始められるから、用地取得に何十年もかかるようなことはない。

しかも富の源泉は、それまでの4倍以上も入居してくる新住民が担う。その差額を投資に回して、次から次へと工事を進めるのだ。再開発して素晴らしい街並みにつくり変えれば、新しい付加価値が生まれる。すると土地を小口債権化できる。5~6%のリターンは十分に見込めるだろう。

財源と需要が見通せる大都市部で、半官(土質改良やインフラなどの基礎工事+既存住民部分)・半民(上層部分)で行うので信頼性は高く、アメリカのサブプライムとは比較にならない。この安定したリターンを狙って世界中から金が集まってくるだろう。