麻生内閣の誕生により、この国の宰相は3代続けて祖父ないし父が首相経験者という異例の事態となった。

「家業としての首相」が招く弊害とは何か。なぜ日本だけ、リーダーシップ育成の教育を忌避し、世襲を許してきたのか。本質を鋭く解明する。

私は今、大学開校に向けた準備を進めている。21世紀のビジネスリーダーの三種の神器は語学力、ITスキルを含んだ問題解決力、財務力というのが私の持論である。

これらの習得には、やはり年齢は若いほうがいい。私が学長を務めるビジネスブレークスルー(BBT)大学院大学に集まってくる学生は、大変質が高くて努力を惜しまないタイプが多い。だが、いかんせん平均年齢が38歳で、英語の語彙ひとつをとっても少々錆びついているから、語学に関してはトレーニングをこなし切れない現実がある。

世界のどこに出しても結果が出せるビジネスマンをつくろうと思ったら、伸び盛りの10代、20代から鍛えなければならない。そのためには大学院より川上の大学づくりの必要性を感じていた。現在、文部科学省に大学の設置申請を行っている最中で、早ければ再来年の4月には開校できそうだ。

インターネットを駆使する大学だから、どれだけスケールが大きくても変幻自在なサイバークラスルームで対応でき、物理的な教室は要らないし、先生の数を無理に増やす必要もない。学生は通学しなくてよいから、世界中どこにいてもインターネットで授業が受けられる。この大学で8000~1万人規模の学生を教えられたら、日本の風景も少し変わるのではないかと思う。

企業の人事担当者に協力してもらい、企業がどんな人材を求めているのかを定義しながらカリキュラムを組んでいく。企業の集団知によって商品(大学が世に送り出す人材)を定義し、その定義を満たすための教育を施して企業社会に送り出す。企業としては社内で教育しなくても十分なスペックを備えた人材が得られる。設立わずか3年でBBT大学院大学は企業人気ナンバーワンのビジネススクールになったが、10年後にはこの新大学の卒業生も企業から引く手数多になっているだろう。