日米両国が陥った「ケインズ妄信」の失策

政権交代からわずか2年で3人目の野田佳彦首相が誕生した。今はまだ無色透明に近い状態なので論評は避けるが、国家財政の危機的状況を鑑みれば、財政規律派の野田首相は現実的には唯一最良の選択肢だったといえる。

しかしながら、震災復興と原発事故の収束という重い課題を抱えた新政権の経済運営が相当厳しいものになることは想像に難くない。野田首相に心してほしいのは、バラマキと借金を繰り返す従来の経済政策では日本の経済社会に光が差し込むことは決してない、ということである。

日本が「失われた20年」から得なければならない最大の教訓は、ケインズ経済学以降のマクロ経済理論はもはや通用しないということだ。日本政府はバブル崩壊後の20年で300兆円もの財政投融資という世界史上例のない財政出動(公共投資)を行い、ゼロ金利政策と量的緩和政策を続けてきたが、まったく効果がなかった。