知的障害の疑いのある42歳次女が「初めての彼」にのめり込む

今回、相談者の母親(75歳)が頭を悩ませているのは次女のBさん。

前述の通り、1年前に会社員を辞めた時点で、Bさんにはコツコツ貯めた貯蓄があった。その貯蓄が10万円にまで減ったのは、Bさんが「付き合っているという彼氏」に原因がある。

Bさんの彼氏は、年下の30代後半。遠く離れた山陰地方に住んでいて、離婚経験がある。前妻との間には子供はいない。Bさんはそう両親にカミングアウトした。

その彼氏とBさんは、ネット上で知り合ったらしい。Bさんにとっては、40代でできた初めての彼氏で、気持ちが完全に舞い上がっている。母親の目にはそう映っていた。現在は数カ月に一度の割合で、彼氏の居住地に足を運んで、2人の時間を楽しんでいるそうである。

スマートフォンでやり取りする男女
写真=iStock.com/metamorworks
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母親が気づいたときには、900万円が消えていた

本当に2人が好き合っているのであれば、親としては、離婚歴がある人でも受け入れたかもしれないという。

だが、母親が気づいたときには、900万円あったはずの次女の貯蓄は底を突いていた。手元に残った10万円は、親が渡したおこづかいの残りである。

900万円の使いみちはよくわからないが、「仕事で急に資金が必要になった」とか、「知り合いがケガをして、現金が必要になった」、「免停になったので、もう一度、免許を取らなくてはならない。申し訳ないけど、免許取得費用を貸してほしい」など、どれも疑いたくなるような理由を次々と述べたという。

貯蓄が底を突いてからは、「生前贈与でもらったお金を、私が使えるようにしてほしい」という次女からの無心がはじまった。

本来の贈与では、贈与したお金は贈与された側が管理すべきだが、知的障害の疑いがあることなどから、贈与したお金は親が管理を続けている。母親が「このお金は、あなたの将来の生活費だから、今は渡せない」というと、今まで見たことがないくらいBさんは激高したという。

Bさんは今、彼氏が住む場所で暮らすために、免許の取得を考えている。その費用を自分名義の貯金(親からの生前贈与分)から引き出してほしいと懇願されているが、渡すべきか、母親は悩んでいる。