都内在住で知的障害の疑いがある42歳独身女性はネットで出会った「山陰地方に住むバツイチ男」に約900万円を貢いだ。女性の老親はマンション1棟を所有する資産家で貯蓄は1億円超、年収は年金以外に1000万円超。男はさらに1500万円の生前贈与を狙っているようだ。そこでファイナンシャルプランナーが諭したアドバイスとは――。
マンション外観
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「貯蓄1億円超」資産家の40代の次女が貢いだ900万円

今回の相談者は、都内に一棟建てのマンションを所有する高齢の資産家の家族。マンションの家賃収入で、現役時代も、年金生活になってからも、家族の生活費を十分にまかなってきた。

生活費の問題はこの先もない。そう思われたが、この家族には40代の2人の娘がいる。2人とも外出は可能だが、現時点で就労していない。この先も就労する可能性は低いだろうと、親は考えている。

長女のAさん(47歳)は、高校を卒業後は家事手伝いをするくらいで、外で働いた経験はない。アルバイトの経験もないという。

次女のBさん(42歳)は1年くらい前まで、一般企業で働いていたとのこと。実はBさんには知的障害の疑いがあるのだが、診断は受けていない。高校を卒業して就職してからは、社員30人以下の小さい会社ではあるものの、普通の会社員として働いてきた。

Bさんは仕事でミスを起こすことが多く、ミスの多さからか、社内で嫌がらせを受けることも少なくなかったよう。数年前からはときどき、「会社に行きたくない」と言うようになり、1年くらい前からは、うつ病のような状態に。無断欠勤を続けた後、復職できぬまま、退職した。

Bさんは自宅と会社を往復する日々だったこともあり、給料は多くなかったが、退職時点ではコツコツ貯めた貯蓄が900万円ほどあった。ところが、現在、Bさんの手元には10万円ちょっとしかない。

これほど早く、貯蓄が減った理由。それはBさんの近くにいる「男性」が関係していることは明白だった。

高齢の親はマンション1棟所有、賃料収入は年1000万円以上

【家族構成】
父親 80歳
母親 75歳
長女(Aさん)47歳
次女(Bさん)42歳

【家計・資産状況】
貯蓄
約1億3500万円
このほかに、娘たちへの生前贈与分が2人分で3000万円くらいある
収入
父親:年金収入 120万円、賃貸収入 年1100万円
母親:年金収入 100万円、賃貸管理 年200万円
長女、次女とも収入は0円
支出
家族4人で年間600万円程度

※長女、次女の国民年金保険料は、次女が働いていた時期を除くと、親が払っている。現在は、生活費やおこづかいとして、ふたりに月5万円ずつを渡している。