ひきこもりの子供が結婚詐欺で大金を失う事例が増加
今回の相談は、ふだんアドバイスをしているひきこもりの子供がいる家庭の家計サバイバルプランとは、かなり趣が異なる。
ただ、前述したように筆者はひきこもりの子供が結婚詐欺と思われる被害に遭って、何千万円もの預金を失った事例をいくつか見てきている。
何千万円も失ってしまったひきこもりの子供たちは、親亡き後、生活保護の受給しか生活を成り立たせる手段がなくなった。お金の問題だけではなく、詐欺に遭ったひきこもりの子供は40代前後。明らかに中年世代だが、精神的なダメージが大きすぎて、それまで外出ができていたのに、ほとんどのケースで家から出られなくなっている。中には自殺をしようとする子供も出てしまい、今でもその子供の様子が心配でたまらない。
今回のケースでも、娘さんががんばって貯めた900万円を失ってしまったのは、残念でならない。だが、この先、お金を渡さずに済めば、次女が親亡き後を暮らしていくサバイバルプランは十分に成り立つ。
まだまだ予断を許さないが、相談に来ることで、気持ちを奮い立たせたいという母親とは、今後も進捗状況を確認しながら、次女がお金を渡さないで済む方法を一緒に検討していきたいと考えている。