アビガン急転直下で承認の見通し

内服治療薬のアビガン錠は、実際に薬剤を使って現場の治療経験を積んでいる日本集中治療医学会と日本救急医学会から推奨されていました(注19)。さすが治療をされている先生方は自粛一辺倒とは違うな、と思いました。

5カ月遅れの10月になりアビガンは、なんと急転直下で承認見通しが立ちました(注20)。治験無効の記事に対して、担当の先生ご本人がファクトをプレジデント誌のインタビューで答えています(注21)

既に米国では長期投与のトライアルがなされ、ロシアでは後発ジェネリック薬品が開発され薬局で用いられるような時期に(注22、注23)開発国の日本がやっと承認という事になりました。

多くの専門家の先生は、治療薬についてのコメントは控えていらっしゃるようでした。また各種薬剤の承認については、PCR検査の熱狂とは裏腹に応援も無く非常に淡泊だったと感じています。

過ぎてしまったことは仕方ありません。けれども国民の安心感への寄与を逃しただけでなく、国益の事を考えると残念でなりません。

うがい、手洗い、マスクは続けていい

うがい、手洗い、マスクなどの習慣は、他のカゼの予防や喉を寒気から守るので当面続けるとよいと思います。

同時に、春先から続く自粛や警戒一辺倒の対策は、ウイルスの広まりや時間経過による人々の免疫の変容からも既にレガシーになりつつあると考えます。日本は、国際飛行場の検疫システムも拡充し人々の移動への準備が整ってきています(注24)。海外との数多くの人の移動に備える準備をしています。

積極的に迎え撃つ方向へ状況は確実に変化していることを感じます。

どんなスポーツでも、防御一方で得点しなければ勝てません。良くて引き分けですが、防御のみでは相手が得点することも多いでしょうから負けるだけです。それに、積極的に行動しなければ希望も見出せず滅入るだけです。

アジアでの流行と西欧は大きく違うことや、一足早く冬になったオーストラリアとの比較などの考察はお目にかかれていません。

冬季にオーストラリア同様、コロナもインフルも流行が小規模になるという予想は間違うかもしれません。でも、「そういう考えもあるんだ」と思考の多様性は担保することになります。

不用意な楽観主義は、被害をかえって大きくするだけだと思っています。けれども、厳重すぎる新型コロナウイルスの指定感染症の取り扱いを現実的なものに改変する必要があると思っています。それは、前回お書きした「社会的終焉」を加速することになると思います。来年は、大勢で演奏を楽しむ野外音楽を楽しみたいものです。

私は、皆が希望を持ち得点を重ねていく応援をしたいと考えています。