「フェンダーギター」に見る世界と日本の違い

新型コロナウイルスの狂騒も落ち着き通常の様子に戻りつつあります。喧伝されていた9月中旬の連休後2週間が経過しますが静かなままです。恐怖をあおるメディアのプロセスもフェイクを語る話者も、起きている真実の前に消え去りました。

男性の手の中にテレビ
写真=iStock.com/bee32
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残されたのは、ファクトに誠実に従い現実的な方法論を示し希望を灯し続けた者たちでした。私たちは教訓も得ました。人々は、自律性を取り戻し良い判断と素晴らしい回復力を示しました。

ノーベル物理学賞が発表されました。私たち人間は、物理法則に沿って暮らしていてそこから逃れることはできません。ウイルス流行も物理法則のような自然現象の一つです。私たちは、自らが受ける影響をほんの少し変化させることしかできません。

私は、海外のフェンダーギターの売り上げが過去最高に達している(注1)ことを拝見し世界で復活の狼煙のろしがあがったと喜んでいました。その後、フェンダーの主な楽器輸入商社の方とお話しする機会がありました。日本では、売り上げが激減し何カ月も低迷が続いているとのこと。

予想しない言葉でした。

日本ではミュージシャンやエンターテインメントの活動の場がなくなり、ライブハウスや楽器屋さんが倒産しクローズし続けていることも伺いました。スローハンドと呼ばれたエリック・クラプトンの滑らかなエレキギター(注2)を聴きながら、日本人はナイーブなので状況以上に精神的にションボリしてしまうのかもしれないと思いました。

相互監視を行い、自主的に「自粛警察」や「マスク警察」を生み出した土壌もそこにあるかもしれません(注3)。多様性や独創性を喜ぶよりも均一な多数への埋没に安心するのは、日本人の特徴かもしれません。

恐怖をあおったメディアが「Go To」を特集

私は、9月に松任谷正隆さんにお会いしてFM放送の収録を行いました。その際に、日本の医療者は「感染への警戒を怠ってはいけない」と不安にさせてばかりで積極的な行動再開への希望ある言葉は伝えてこなかったとお話ししました。

「今回のコロナは新型ウイルスだけれども、季節性として流行っていた見慣れたコロナウイルスの新種の一つです。落ち着いてきたらそれに従って活動再開をしていくべきです。そういう世界はもうすぐやってきます。私は、全力で応援します」と続けました。

専門家は、マスクでは演奏できないサクソフォンや管楽器をどうしたらよいか、アドバイスしたって良いはずでした。世界では、前向きな分析が行われています(注4)

市民の方々は賢く、自主的に9月の連休中を使って旅行を楽しみました。ワイドショーもあれだけ恐怖を惹起し批判しておきながら、今度は「GoToトラベル」「GoToイート」を特集しています。東京都のコロナ陽性者も陽性率も、重症者数も数カ月変化していないにもかかわらず、です。

メディアがどういうものか、その性質を明確に示しています。日本全国の人々が、世界中のファクトをWEBサイトで自分で確認し理解していました。メディアを「パンとサーカス」(注5) として看破して見なくなってもいる点が痛快な点です。

人々を応援することで希望を生み出すという話題についてお話しした松任谷さんとの収録の一部は、FM東京のエールプラネットで放映されました(注6)