苦しい時はどうすれば楽になるのか。自身も躁鬱病(双極性障害Ⅱ型)の診断を受けている建築家の坂口恭平氏は「10分間と時間を決めて、集中して悩むといい。悪い妄想は他の作業をしている時のほうが増殖しやすい」という――。
※本稿は、坂口恭平『苦しい時は電話して』(講談社現代新書)の一部を再編集したものです。
朝が来たらとりあえず起きてみよう
夜眠れなくても、朝が来たら一応起きてみましょう。二度寝をすると、また起きるのがだるくなりますからここは目が覚めた時点で、すぐに起き上がってみましょう。
起きてすぐはまだ頭がぼんやりとしていますが、しばらくすると、すぐにいつもの否定的な思考がはじまってしまいます。というわけで、ぼんやりとしている間でも自動的に動くために、あらかじめスケジュールをつくっておきましょう。自分でつくるのも面倒でしょうから、僕が勝手につくってみます。それをただやるだけにしてみてはどうでしょうか。
朝起きる。きついとかきつくないとか考えずに、とりあえず起きてみる。そのあと、着替えてみる。気持ちがいいか確認してみる。余計に気持ちが悪くなることは、実はありません。もちろん、まだ眠りたいのかもしれませんが、寝てしまうと、どうしても「ああ、自分はどうしてサボってしまっているんだ」と考えてしまいます。別にサボっているわけではなく、ただ休んでいるだけなのですが、そう感じてしまいます。そう感じることを消そうとする必要はありませんが、そう感じない方法を試してみましょう。
やらないよりもやったほうが、気持ちが楽になります。