社会に出てからでも友達はつくれる
【田村】昨今、SNSでつながることがステータスになってきていますが、その点についてはどう考えていますか?
【小泉】もちろん、SNSでつながっているだけで友達だというのはあり得ないでしょう。
【田村】そう思います。でも、SNSで少しやりとりをしただけで、「田村さんは私の友達だ」というような人がときどきいますね。
【小泉】SNSでつながって、ネットワークを広げるのは素晴らしいことだと思います。私自身も、SNSのおかげで新しい情報を得られたり、学んだりすることができます。とはいっても、やはりSNSは友達とは別です。ただ、社会に出てからでも、友達といえる人との出会いはありますね。ひょっとしたら学生時代に友達に恵まれなかった人もいるかもしれません。だからといって、この先友達を作る機会がないかというと、それは違う。人間関係の面白いところです。まずは人と向き合うこと。それが最高の友達を作る第一歩です。
「お前なんか大嫌いだ」と言われて嬉しかった
【田村】2015年に進次郎さんは農政改革に取り組みました。このとき菅義偉内閣官房長官は、「苦労してこい」というかたちで進次郎さんを農林部会に送り出したそうですね。そして部会で意見をまとめるまでに、江藤拓氏や西川公也氏ら農林のエキスパートとやりとりしたと思います。大変な仕事だったのではないでしょうか?
【小泉】確かに大変でした。しかし面白かった。江藤さんには面と向かって「お前のことなんか大嫌いだ」と言われましたが、最終的には大きな支えになってくれました。政界に限らず会社でもプライベートでも、面と向かって「大嫌い」と言ってくれる人なんて、なかなかいないのではないですか?
【田村】いませんね。
【小泉】実は「大嫌い」と言われて嬉しかったのですよ。なぜならほかの人は陰口を叩いている。「進次郎ふざけるな」って。また、腹のなかでそう考えている人もいます。しかし、江藤さんは直接私に言ってくれました。この人は嘘をつかない、信用できる人だと直感した。だから嬉しかった。
【田村】それは重要なことです。上司が若い部下に注意するでしょう。すると反発するだけの部下もいます。進次郎さんのように上司の苦言をどう受け止めるか、それが重要です。偉くなればなるほど、周りには調子の良いことをいう人しか集まってこなくなります。どんなに偉くなっても、必要なときに意見、反論してくる人を周りに置くべきです。
【小泉】そう感じています。