先輩政治家が焼き肉に連れて行ってくれた理由

【田村】「大嫌いだ」と言ってきた江藤さんとは、長い時間一緒にいることで、徐々に意思が通じるようになったのですか?

【小泉】長い時間いたというのではなく……部会で席が隣だったんですよ。

【田村】それは嫌でも話すことになる(笑)。

【小泉】そうなのです。「大嫌いだ」と言われて何日か経って会ったときに、私はこう話しました。

「先日、先生から大嫌いと言われて、私は嬉しかったですよ。面と向かっていってくれたので」

すると江藤さんは「お前は気持ち悪い奴だな。大嫌いと言われて喜んでいるのか?」と。確かに「大嫌いだ」と言われて喜ぶ人はいない。でも、面と向かって批判してくれる人はいません。だから非常にありがたかったと説明したのです。そして「今後、飯に連れていってください」と頼んだのです。すると先生は呆れながらも承諾してくれました。

【田村】二人で食事したのですか?

【小泉】そうです。江藤さんから「お前はほかに誰か連れてくる?」と聞かれたので、私は「先生はどなたかお連れになりますか?」と聞き返しました。すると江藤さんは「いや、そういうわけではないけど、お前も俺と二人では間がもたないだろう?」という。私としては二人でじっくり話をしたかったから「せっかくですから二人でお願いします」といい、当日は焼肉屋に連れて行ってもらいました。

【田村】焼肉は焼いているときに話をしなくていいから、間がもちます。

【小泉】そうか。だから江藤さんは焼肉屋を選んだのか(笑)。

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