郊外のロードサイドは店舗や駐車場が広いので3密を避けやすい。そのため「旅行はできないが、どこか安全なところに出かけたい」という人が集まりやすい、という傾向もあったようだ。

構造改革に本格的に向き合わなくてはならなくなる

アパレル業界の「たくさん店舗を持ち、たくさん在庫を持つ」というスタイルは、いわばハイリスクハイリターン型のビジネスでありアパレル市場の成熟に伴い見直しの必要性が迫られていた。大量生産販売型モデルは市場が伸びているときには大きな利益が出るが、現在は基本的に国内市場がシュリンクしており、目標とする売り上げを達成できず固定費のインパクトが大きくなり結果的に資金繰りがショートして倒産する企業が増えてきている。業界構造的に手を打つのが難しいため各社が問題を先送りしてきたが、コロナをきっかけに、構造改革に本格的に向き合わなくてはならなくなるだろう。

すでに動き出している企業もある。例えばワールドは今回の決算で「プラットフォームを外部企業へオープン化する外販にも注力する」「ファッション業界における“総合サービス企業グループ”へと進化を図る」といったメッセージを出しており、実際にOEMや店舗内デザインの設計コンサルティングなどを手掛けている。これまでやってこなかったBtoBサービスに手を広げるのは葛藤もあったと思うが、自分たちの持っているリソースを生かす新たな方向を模索する姿勢は評価したい。

震災の際は嗜好品全体が沈んだが、今はものによって回復している。旅行が落ち込む代わりにアパレルにお金が行く、といったこともありうるので、そういった需要をしっかり摑めるかが重要になるだろう。

(構成=吉田洋平)
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