行きつけの居酒屋から「生中」がなくなる日

食品業界は、コロナウイルスの影響がよくも悪くも大きく出た業界です。2020年4、5月は緊急事態宣言の発令による「巣ごもり消費」が盛り上がった一方、業務用に商品を卸しているメーカーは非常に大きな需要減に直面しました。

全体的にポジティブな影響を受けたのは冷凍食品や即席麺、ヨーグルトなどの乳製品。具体的にいうとニチレイや日清食品、東洋水産、明治や雪印メグミルクなどが好調でした。反対にネガティブな影響を受けたのは、業務用にビールを多く販売しているアサヒビール、オフィス街などで販売が急落したコンビニでの販売量が多かった日本コカ・コーラや山崎製パンなどです。

コロナが直撃したビール市場(5月前年比)

特にビール業界はビジネスモデル自体の転換が加速しそうです。今回のコロナ騒ぎで飲食店向けの業務用ビールの売り上げが大幅に落ちたのですが、もともと業務用ビールはサーバーレンタルや販売促進費などの固定費が大きく、利益が出にくい構造になっていました。現在は少しずつ業務用の売り上げが戻りつつありますが、元の水準にまで戻るかといえば厳しいでしょう。

ということは、業務用の樽生ビールのビジネスモデルそのものを考え直して、中小規模の店舗には瓶ビールでの販売に絞るなどしっかり利益が出る仕組みに転換していく必要があります。このこと自体はコロナ以前から課題として認識されていたので、今回を契機に構造改革が進んでいくことでしょう。