新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛で、人々の不満が爆発している。キリスト教はこれまで、様々な危機的状況を乗り越えてきた。佐藤優がいま国民に伝えたい聖書の言葉とは。

人々が宗教に向かう理由はなにか

人気テレビ番組『テラスハウス』に出演していた女子プロレスラーの木村花さんが、2020年5月に亡くなりました。SNS上の誹謗中傷に追い詰められた末の自殺だと言われています。その前には、検察官の定年を引き上げる検察庁法改正案に対して、「抗議します」というツイッター世論が盛り上がり、法案成立は見送りになりました。

作家・元外務省主任分析官。1985年同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在ロシア日本大使館勤務などを経て、作家に。『国家の罠』でデビュー。『自壊する帝国』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。
作家・元外務省主任分析官。1985年同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在ロシア日本大使館勤務などを経て、作家に。『国家の罠』でデビュー。『自壊する帝国』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。

どちらの件も、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛がなければ、あれだけの爆発に至らなかったと私は思っています。家から動けない生活が2カ月も続いて活動を制限されれば、ストレスが溜まります。人を無理やり押さえつけて魂を内側へ圧縮させていくと、何らかのはけ口を探し、反動として爆発するものだからです。