アフターコロナで勝ち残る人材の本質

AIやロボットなどの技術進歩で仕事を奪われる人が出てくるというのは、コロナの前から言われていた傾向ですが、それがコロナの影響でより加速しました。その結果、日本の失業者は176万人にも上り、アメリカの4月の失業率は14.7%と戦後最悪の数値となりました。

今まで、日本では面接などで「素直・明るい・元気」という三拍子揃った、フレッシュな就活生が好まれる傾向にありました。もちろん、このような人材は働く環境にとても良いエネルギーをもたらし、会社を活気づけてくれるでしょう。

ただし、先ほどのような現状を考えあわせると、「明るく元気で素直」だとしても、任された単純作業をこなすような人材では、これからの社会で生き残っていけないのです。

これから求められるのは、どんな困難な環境でも「創造」と「変革」ができる「サバイバル人材」です。このように書くと新しく求められるようになった人材かのように見えてしまいますが、実際はそうではありません。オンラインが主流の時代でも、勝ち残っていく人材の本質は、今までの就活で強かった人と何ら変わりないのです。

オンライン化でも変わらない、就活に強い人の4つの共通点

採用担当者は就活生を大きく4つの視点で見ていると考えています。

1つ目は、「成果をあげられる人材か」。つまり入社後に活躍するイメージが湧くかどうかです。これは採用担当者が学生を見る重要な観点でもあるため、エントリーシートの記述はもちろん、面接で話す際には相手に活躍イメージを想起させるように意識して、心からの志望動機を言語化する必要があります。

2つ目は、「戦力と定着」です。要するに人間性が良く能力があるかに加えて、企業への共感性が高く、長く働いてくれそうかどうかという視点です。就職活動で企業を見る際にはどの企業も良いところと悪いところがあると思います。完璧な企業は絶対にありません。そのときに自分が「変わりやすいところ」に共感しているか「変わりにくいところ」に共感しているのかを見極めることが大切です。

例えば「変わりやすい」のは上司や給料などで、「変わりにくい」のは企業理念や社風などです。会社のイメージを左右してしまうことではありますが「人事の人が優しかったから」など、変わりやすいものへの共感で入社先を決めてしてしまうと離職率が高まってしまう場合があります。大切なのは「変わりにくいところ」への共感です。これが定着率を大きく左右します。

3つ目は、「なぜ自分を採用すべきかを論理的に説明できるか」です。これには自己分析に加えて深い会社理解が必要になります。例えば受けている企業のホームページがイマイチだったとき、自分がデザイン能力に長けたプログラマーだったら、「だから私を御社は採用すべきです」と説明できるかもしれません。会社もこれから何十年も給料を払い続ける相手を選ぶわけですから、採用することに納得できる理由が必要なのです。

4つ目は、「過去の実績・現在の行動・未来への意欲」に一貫性が見られるかどうかです。これは大学で選んだ学部の専門性を生かした方が良い、というのではありません。例えば、「インターンをしていた営業の会社で、押し売り感が出てしまうことに課題を感じていました。今は本などで独学する傍ら、関連するオンラインセミナーにも参加しています。将来的には、押し売りではなくサービスの魅力を最大限に伝えるスタイルで、営業トップになりたいです」といったように、過去の経験から自分が将来なりたい像が明確に描けているかが重要になります。

この4つの視点は頭で理解することはできても、実際に働いてみないと正確にイメージすることは難しいでしょう。そのため、インターンやアルバイトの選び方も「どれだけ実践経験を積むことができるか」という視点を持って見直す必要があります。