昇格後の研修参加者が消極的になる理由

GEの従業員は、クロトンビルのリーダーシップ研修に選ばれたということが、自身に昇進の可能性が出てきたことを意味するとわかっています。ですので、研修に対する態度が極めて積極的です。

多くの企業でも、研修と昇進・昇格が密接に連動しているはずですが、それは昇格後に研修が行われるという文脈での話であると思います。

人材開発担当者として昇格後の必修研修を運営していて、参加者の態度が消極的であると感じたことはありませんか。それは至極当然のことです。なぜならすでに昇格してしまっているので、研修の必要性を参加者たちが感じていないからです。

では、どうしたらよいのでしょうか。

GEでも昇格後研修として、労務関連などのトピックを扱うマネジメント研修をします。その参加態度はとても積極的です。なぜなら、これを知らないと、あるいはこれができないとそのポジションで失敗することになるというトピックで研修プログラムを構成しているからです。

つまり昇格後の研修で扱われるべきトピックは、昇格したポジションで必須の、人と組織のマネジメントに関するものであるべきなのです。

義務感では研修への動機付けが生まれない

ところが多くの企業では残念なことに、昇格前研修で行うべきリーダーシップ研修をしていないため、昇格時(後)研修でリーダーシップとマネジメントを混ぜて実施してみたり、通過儀礼的な当たり障りのない内容にしてみたり、といったことになりがちです。これでは、研修の参加者は混乱するか、義務感や強制された気持ちで研修を受けることになってしまいます。こうした状況では、研修を通じて自分を成長させたいといった動機は生まれません。

当たり前のことですが、研修に限らず人が何かをしようと思うとき、あるいは人に何かをさせようとするときには、動機が必要です。昇格前、昇格後に必要な研修は何か、そしてその内容が参加者を動機付けるようなものにするためにはどうしたらよいか、原点に立ち返って検討することが大切です。

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