※本稿は、片桐あい『これからのテレワーク 新しい時代の働き方の教科書』(自由国民社)の一部を再編集したものです。
テレワークで仕事の成果が出ないわけがない
私が所属していたグローバル企業の海外のマネージャは、日本のマネージャのようにオフィスにいる人を管理しているわけではなく、物理的に場所が離れた海外の人をマネージしている人もいます。
アメリカ国内では、4000キロも離れ、1度も会ったことがないような人が部下になることもあります。また、アジアパシフィックの統括マネージャは、アジア圏の各国とオーストラリアなど、様々な母国語の人たちと英語でコミュニケーションします。
上司は韓国、部下は日本とタイとシンガポールとインドとニュージーランド、などというチームはざらにありました。互いが片言の英語の場合もありますし、回線の状態が悪い国もまだあります。
それでも、仕事は仕事! きちんと成果が出せる組織を運営することはできるのです。
そのような状況と比較しても、日本の場合は同じ日本人同士で距離も東京と北海道、東京と福岡どちらも1000キロ程度ですし、言葉も日本語同士です。
それなのに、テレワークで仕事の成果が出ないわけがありません。
「オフラインの時間」は前もって伝える
さて、そんな私たちがいつでもどこでも、オンライン状態にしておくことは確かに難しいです。たとえば、集中して仕事に没頭していれば、電話を取り損ねることだってあるでしょう。トイレに立ったときに、チャットがくるかもしれません。
極端な表現ですが、私は「いつでもオンライン状態にしておくくらいの気持ちでいてください」とお伝えしたいです。
逆に、席を外すとか、休憩時間をズラす、シフトの時間があるなどの場合には、あらかじめ自分のスケジュールをチームに共有しておくことが大切です。
相手は、相手の都合で連絡をしてくるので、それが叶えられなければ、「やっぱり在宅はダメだな」とか、「○○さん、どこいっちゃったのかな? もしかして……」と、あらぬことを勝手に想像されてしまうことで、少しずつ信頼を失っていくのです。
だからこそ、オンラインなのかオフラインなのかを、はっきりさせておくことが大切なのです。また、仕事できちんと成果を出していれば相手も信頼するので、多少連絡が遅れたとしても細かいことは言わなくなるのです。