東口から靖国通りまで人っ子一人いやしない
職安通りに出てもらい、大ガードをくぐって新宿駅を一周、元いた場所に降りる。花道通りに比べてなんと駅周辺の静かなことか。東口から靖国通りまで人っ子一人いやしない。その後、夜中の2時くらいにその周辺を歩いてみたが本当に誰もいない。というか歌舞伎町にしてもセントラルロード、さくら通り、東通りと人はまばら。やはり花道通りこそが深夜の歌舞伎町だ。
区役所通り、半ギレぎみの中国人店主曰く。
「(国に)帰れないからしょうがないね。お客さん全然いないのに!」
ウーバーイーツの出前や夜のお仕事の方々のテイクアウトだけでは家賃が厳しいという。やはり店で酒を飲んでもらわないと。ところで給付金の10万円はもう来たのか。
「来ない! 遅いよ! でもあんなの一瞬だよ!」
笑顔なので怒っているわけではないようだが、マンガの中国人のようなイントネーションでまくしたてる。住民基本台帳に名前があれば外国人でも給付金はもらえる。もっとも新宿区は印刷屋の変な子会社に任せたばっかりに遅れている。
治安悪化……陽気で不機嫌な外国人
区役所通りはキャバクラもホストも、それを目当ての飲食店も並んでいるのでにぎわっている。そんな中で暴れる外国人。みんな2メートル近い。
「すげえな、あんなの勝てねえよ」
見ていた男性が半笑いでそうつぶやくのも無理はない。再び歌舞伎町交番前へ。これまた外国人が言い争っていた。この夜は外国人のやんちゃが目についた。外国人の機嫌が悪いのもまあわかる。異国の危険地帯で金を稼ぐストレスと、コロナで母国には容易に帰れないストレス。さっきの中国人だけでなく、白人も黒人も陽気に不機嫌だ。
「やめなさ~い」
間延びした声で目の前の派出所から数歩で出動する警察官たち。この程度では緊張感もなく「はいはい」といった様子。もちろん珍しくもないので野次馬なんかいない。外国人のほうも警察なんかちっとも怖くないとばかりにダッシュで派出所の掲示板にジャンピングキックを決める。うんざり顔の警察も大変だ。