私たち日本人が「コロナの優等生」から学ぶべきこと

2020年4月14日、台湾のランドマーク的存在である「圓山大飯店(グランドホテル)」の建物正面に「ZERO」の文字が大きくライトアップされた。このゼロが示すのは、この日、台湾における新たな新型コロナウイルス感染確認が0人だったということだ。新規の感染者ゼロは3月9日以来のこと。圓山大飯店のライトアップのニュースは、早くから「コロナの優等生」と言われていた台湾の感染拡大防止策が確かに実を結んでいることが世界に知らしめた。ちなみに日本はこの2日後の16日に緊急事態宣言が全国に拡大され、国民のコロナとの戦いが本格化。自粛の嵐が始まった。振り返ると、緊急事態宣言は現場の準備が整う前に行われ、混乱と模索のなかで解除を迎えたように感じられる。

さて、その後、台湾では感染拡大が抑えられたことから、4月30日に中央感染症指揮センター(新型肺炎対策本部に相当)より「防疫新生活運動」の呼びかけが行われた。これは、新型コロナウイルスへの警戒を引き続き行いながら新しい生活様式を模索する運動だ。最近、日本のニュースでよく見かける「ウィズコロナ」に近いと考えてよいだろう。

一足早くウィズコロナを実践している台湾に、私たちが学ぶべき点はあるのだろうか。