トップとナンバー2が「ガチンコ対決」
二階氏は17日の記者会見で「現政権が任期いっぱいお務めになることを幹事長として補佐していきたい」と述べ、幹事長続投に意欲を示したとも報じられるが、自民党内からは来年9月に任期満了を迎える安倍総理(党総裁)に代わる自民党総裁選を大幅に前倒しすべきとの声もあがっている。それは事実上の「安倍おろし」であり、安倍政権の屋台骨を支えてきた菅官房長官と二階氏が仮に賛同すれば、その実現可能性は一気に高まる。
「菅官房長官を中枢ラインから外した安倍総理とその周辺への怒りは残っていないといえば嘘になる」。菅氏に近い自民党議員の視線は、すでに次期総裁選に向く。安倍総理は岸田文雄政調会長への「禅譲」を志向しているが、菅氏や二階氏はその路線から距離を置いており、次のトップリーダー選びは安倍政権のトップとナンバー2が「ガチンコ対決」となるのが必至だ。河井夫妻の逮捕で号砲が鳴った「ポスト安倍」政局。4年間の任期満了まで1年ちょっとになった衆議院議員たちのざわめきは「アウト・オブ・コントロール」状態にある。安倍総理は退陣して年内に自民党総裁選を実施するのか、それとも衆議院解散・総選挙を断行して正面突破で再浮揚を狙うのか。いずれにせよ、もはや信を問うべきタイミングである。