石原・猪瀬・舛添の3氏が3年間で交代する都民を愚弄した時間

その流れに異変が生じたのは、1995年に第13代都知事に就任した青島幸男氏からで、青島氏は再選不出馬を決めて1期限りで退任。その後登場した石原慎太郎氏は4選まで果たしたものの、任期を約2年半残す中で国政復帰を目指すと突然辞職し、都政の混乱が始まった。

石原氏から後継指名された猪瀬直樹副知事は2012年末の都知事選で史上最多となる434万票を獲得したが、医療法人から5000万円を受領した疑惑が発覚。翌年末に史上最短の在任期間という記録を残して辞任した。その次の舛添要一氏には、出張時の高額宿泊費やファーストクラスの利用、別荘がある神奈川県湯河原町への公用車移動など「政治とカネ」問題が浮上し、次々と報じられた「セコすぎる」対応が世論の反発を招いて約2年での退陣を余儀なくされている。

振り返ると、任期満了に伴う都知事選は2011年以来9年ぶりというから驚くほかない。安定した都政運営や継続性が求められる中、石原・猪瀬・舛添の3氏が3年間で交代するというのは滑稽というよりも、都民を愚弄ぐろうした時間になっていたともいえる。

拙厳しい批判は「愛」の裏返しだが、小池百合子は可愛い

さて、そろそろ本題に入ろう。なお、これまでの拙稿を愛読している「麹町ファン」は知っているだろうと思うが、拙稿の厳しい批判の数々は「愛」の裏返しでもあることを理解の上、読み進めてもらえればと思う。

まず、事前の各種情勢調査を見ても現職の小池氏は圧勝する可能性が高いかもしれない。女性初の都知事として女性をサポートする政策や子育て支援策に重点を置き、コロナ対応でも大阪府の吉村洋文知事と並んで国を牽引している姿勢は、世論の支持がかなり高い。小池都政で都の「貯金」にあたる財政調整基金を一時約3000億円も増加させ、コロナ対策を含めた過去最大規模の予算を計上したのも評価できる。だが、なんとなく好きになれない。

カイロ大学の「学歴詐称」疑惑が突如湧いたが、これでもかとアンチ小池派による知事選をにらんだ攻撃が進んだ段階で、6月15日に同大の卒業証書や卒業証明書を公開。8日にはカイロ大が学長名で書類は「カイロ大学の正式な手続きにより発行された」との声明を出しており、それまでの批判を「完封」するだけでなく、相手にブーメランにして返すような「ドS」ぶりも発揮しているのである。卒業書類に添付された学生時代と思われる小池氏の写真にはツイッター上で「えっ、美人」「かわいすぎる!」との声もあるが、そんなことはどうでもいいことだろう。