芸能人がSNSでアウトプットを増やす本当のリスク
さて、ここまで縷々述べてきた彼のYouTubeチャンネルのコンテンツ分析を通して筆者が主張したいのは、渡部さん自身がオープンにしている情報だけでこれほどまでに分析されてしまうということだ。
近年、お笑い芸人はテレビのバラエティ番組に出演するだけでなく、YouTubeやSNSなどでアウトプットする機会が当たり前になっている。そしてこれはお笑い芸人に限らず、タレントはもちろん、経営者も本業である経営以外にSNSの更新を頻繁に行うケースが増えている。
経営者については、自社サービスの認知や採用面のメリットが大きいことがしばしばその理由として語られている。
だが、今回の渡部さんのスキャンダルで明らかになったのは、このような形で問題が起きたときに、自身のマインドが悪い形で丸裸にされるリスクを持ち、そのリスクは制御できないということだ。
いわゆるインフルエンサーや芸能人は広告案件を取れるなど、ハイリターンだが、そのぶんハイリスクでもある。
特にSNS上の声はコントロールが利かず、先月23日に亡くなった女子プロレスラーの木村花さんを持ち出すまでもなく、時に本人を完膚なきまでに攻撃する。
文春砲からの「ガードは“カッチカチ”」だったそうだが…
そして、渡部さんには決定的な“デジタルタトゥー”がある。
それは佐々木希さんとの結婚を発表した2017年7月28日の出来事。
この日、J-WAVEで放送された渡部さんがナビゲーターを務める「GOLD RUSH」のワンコーナー「CURIOUSCOPE」では、『文春にバレない密会の方法』(太田出版)の著者、フリーライターのキンマサタカさんをゲストに迎え、政治家・芸能人・アスリートの密会現場が週刊誌によってなぜバレてしまうのかをテーマにトークを展開した。
キンさんによると、スキャンダルのリークは「だいたい元カレ、元カノ」から来るという。週刊文春編集部では情報提供者への謝礼は原則渡しておらず、金銭的理由よりもむしろ、フラれた恨みからリークするケースが圧倒的なのだ。
さらにこの放送で、ライターのキンさんが、連日報じられる芸能人のスキャンダルについて、ナビゲーターの渡部さんに訊ねる場面がある。
ここで渡部さんは、「ガードは“カッチカチ”」と返している。
それから3年。
現在のこの状況を、渡部さんは予想していたのだろうか。