韓国が米側に舐めた交渉を続けた場合どうなる
筆者の率直な感想としては、トランプ大統領が時折見せる一国主義的な態度は、彼らの影響が表面化する際のものとして考えることが必要だ、と感じるものだった。
もちろん、この勉強会での人々の意見でトランプ政権の外交・安全保障政策の全てが決まるわけではない。そして、米中対立が表面化した現在において、米国が安易に東アジアの軍事バランスを損ねる決定を行うことは困難だろう。特に現状のように新型コロナウイルス問題で混乱が続く状態では、大規模にシステマチックな変化を断行することは想像できないものだ。
しかし、韓国のように米側の要求をブラフとみなして舐めた交渉を続けた場合、トランプ大統領が在韓米軍の大幅な撤退を決断し、朝鮮半島の軍事バランスに大きな変化が生じるリスクがあることも事実だ。
早晩米国から見限られるということも
仮にトランプ大統領が再選されて、北朝鮮の金正恩との関係が現状以上に改善されることがあれば、それは在韓米軍の大幅撤退という未来につながる可能性がある。トランプ大統領は「朝鮮戦争の終結と朝鮮半島の非核化」の実績(結局何も起きなかったが)を掲げて、共和党議員らに2019年のノーベル平和候補に自らを推薦させた人物である。二期目の当選後のレガシーづくりには東アジア情勢は確実に絡んでくるため、トランプ大統領が北朝鮮カードを使ってくることは前提として頭に入れておくべきことだ。
もちろん、軍事的なタカ派やその関係者はその可能性を否定するだろうが、歴史が動く時とは常識を超える時だと知るべきだろう。その際、米中どっちつかずの態度を示す文正寅政権は、早晩米国から見限られるということも十分にあり得る。韓国という頼りない防波堤が米国によって見捨てられたとき、対中国の最前線は日本列島ということになるだろう。