なぜトランプは韓国に強気なのか
韓国側は在韓米軍の駐留経費として、前年比13%増の提案を行ったが、トランプ大統領はこれを拒否し、2020年以降の負担額の議論は宙に浮いた状態となっている。現在、米国側は前年比49%増の13億ドルを求めているとされているが、この水準で妥結する可能性は極めて低いだろう。
トランプ政権が韓国に対して強気に出ている理由は幾つかある。その中でも意外に知られないことは、トランプ大統領の大統領選挙時当初からの取り巻きには、在韓米軍の撤退論者がいることだ。
筆者がその人々と出会ったのは、ワシントンD.Cでの勉強会であった。勉強会の主催者は、ジョージ・オニール氏、D.C政界でも知る人ぞ知るロックフェラーの四代目にあたる人物である。筆者はD.Cでの情報収集活動を展開していく中で、偶然に同氏とのご縁を得ることになり、その勉強会に参加する機会を得ることになった。
米国へのロビーイング代金の上位国は
勉強会はワシントンD.C郊外の施設で昼食を取りながらプレゼンテーションを聞く形で行われるものだった。参加者の詳細は書くことはできないが、議会関係者、メディア関係者などが多数存在していた。筆者の見立てでは、トランプ大統領独自の外交路線の根幹を形成する、トランプ大統領自身の考え方に近い立場の人々がいたものだった。
その勉強会のテーマは「全世界の国々が年間米国に対して幾らのロビーイング代金を費やしているか」であった。そのランキング上位には、ドイツ、日本、韓国の名前が並んでいた。(あくまで司法省公式データによるものであり、中国とサウジは別枠として扱われていた)
その際に、彼らが勉強会で指摘したポイントは、非常に興味深いものであった。彼らの意見は「ドイツ、日本、韓国は駐留米軍が存在している国であり、これらの国々は米国を戦争に巻き込もうとしている」というものだった。つまり、米国が世界の安全保障環境に関与することについて非常に懐疑的な立場を表明するものだったと言えるだろう。