コロナ騒動下でも勝てた理由とは
3月まではこの期待値を追うルーティンを繰り返して、日々の生活費を稼ぐことができた。しかし、4月に入ると状況は一変。都内のパチンコ店が休業要請に従い、休業し始めたため生活費を稼ぐことができなくなった。
いくらパチスロで勝つ理論を知っていても、パチンコ店が営業していなければ無意味だと実感しました。東日本大震災のときでさえ、休業するパチンコ店はほとんどなかったのに」
だが、佐藤氏は、バイト先が営業自粛をしたことにより、収入が途絶えたフリーターに比べると幸運だったのかもしれない。休業要請に従うことなく営業をしていたパチンコ店が都内に存在したからだ。休業要請に従うことなく営業していたパチンコ店にも事情がある。いち早く休業を発表した大手チェーンなどに比べ、資本で劣る中小店は営業する店も散見された。
通常であれば、ある程度高設定を使って出玉をアピールしないと、客は他店に流れてしまうが、他店が休業していれば話は別となる。低設定のみで営業していても集客力は落ちることなく、資金も回収できるのだ。そのため、パチンコユーザーにとっては厳しい状況だったが、佐藤氏は緊急事態宣言下でもプラスの収支で立ち回ることができたと語る。
「今年パチンコ店に導入された『いろはに愛姫』というパチスロのお陰です。このパチスロは特殊な台で、通常のパチスロのように設定が6段階あるのではなく、『左』『中』『右』『6』の4段階。6以外の機械割は同じです」
通常、パチスロの設定は機械割が100%を超える高設定台か、100%を割る低設定台の2つに区分されるが、この台はそれに分類されない特殊な台だという。
「この台は大当たり中に『どのボタンを最初に押すか』という押し順当てのゲームがあり、設定が左の場合、この押し順当てゲームで『すべて左から押した場合は機械割が104%』となる仕組みになっています。そのため、設置があれば常に客側が勝てる可能性があります。設定も3択なので見抜きやすく、8000回転回せば2万円近く勝つことができる計算となります」
この情報は公式HPや各種パチンコ系サイトでも発表されており、理論上は「座ることができれば勝てる台」であるため、人気が高く客同士の奪い合いが行われるような台であった。
勝てる台が捨てられ始めた
そして設置台数も少ないため『いろはに愛姫』が打てない日もあったというが、それでも自粛前に比べる打てる機会は多かったという。そして、東京都の新型コロナ感染者数が増えるにつれて、ライバルも減っていった。
「普段なら『いろはに愛姫』は開店直後から取り合いになる台ですが、コロナウイルスの感染拡大を受けて客足が遠のいていました。そのため、いつもより『いろはに愛姫』に座れる機会は増え、収支は安定しました。この台を1日10時間打てば、1万5000円ほどのプラスが見込める。毎日安定した収入が確保されることになりますからね」
結果、4月の収支は運も手伝って40万円ほどのプラスになったという。パチンコ店の出玉情報を確認することができるサイトで、自粛期間中に営業を行っていたパチンコ店の出玉情報を見ると、ほとんどの台がマイナス域となっているため、この結果は上出来といえるだろう。