口ばかりの自民党“減税派”議員たち
もちろん、浜田議員の所属政党は2名しか国会議員がいないため、消費税減税法案を議員立法として国会提出する要件を満たしていない。そのため、同議員が法案を作成・公表しても参議院の採決が行われる可能性はない。しかし、麻生大臣と自民党議員たちは、消費税減税を求める国民の憤りの高まりが同議員の質疑に込められていることを再認識するべきだろう。
自民党には上記の2つの減税を求める議員グループが存在しており、コロナ禍に対して3月に各グループで消費税減税などを求める最初の提言を行っている。そして、3月30日には減税勢力誕生の合同記者会見するに至り、その模様はメディアでも大きく報道される運びとなった。
彼らの提言の内容は、公明党の働きかけもあり一律給付金などは第一次補正予算において一部実現している。ただし、3月末の記者会見の中で、日本の未来を考える勉強会の代表の安藤裕議員が述べた「消費税減税は6月から実施する」という言葉とは裏腹に、現在、安倍政権が6月中旬成立を目指す第二次補正予算の中に消費税減税の文言は盛り込まれる見込みはない。また、日本の尊厳と国益を護る会代表の青山繁晴議員が5月ゴールデンウイーク明けに行われた同会総会において、消費税減税法案作成の方向性を再確認したものの、同法案の具体的な成案が公表されるに至っていない。
増税大好き! われらが安倍晋三
非常に厳しい経済状況の中で、昨年末から10%に引き上げられた消費税は日本経済に深刻な打撃を与えている。安倍政権は消費増税を2回実行したレガシーを掲げる政権であり、同政権における減税への道は政治的に極めて困難であることは理解できる。
そのため、通常国会の残り約1カ月は、自民党減税勢力の国会議員にとって本気で消費税減税を実現しようとする意志と能力が問われる期間だと言えるだろう。
冒頭の質疑の中で、浜田議員が現状の与党減税勢力の姿について消費税を巡って所属政党との意見の違いから離党者が出た事例を引き合いにしながら、非常に厳しい苦言を呈している。
「100人を超えるグループが消費税減税を掲げて記者会見などで訴えても補正予算に全く消費税減税が関連していない状況を揶揄する表現として、インターネット上では『頑張ったふり』という指摘があります」と。