米国では「新型コロナウイルス経済対策法(The Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security (CARES) Act)」が署名されました。これにより、個人には一律支給として13万円相当が出ることが決まりました。しかもその給付も極めてスピーディーです。トランプ大統領が法案にサインをしたのが3月27日、4月中旬には給付が始まっています。国土も人口も日本を圧倒する大国である米国のスピード感からは「本気度」が伺えます。給付を受けたアメリカ人がSNSに喜びの声を上げている様子も伺えます。

同国では予算として230兆円も盛り込んでおり、単純計算でこの13万円を3億2800万人の人口でかけても42兆6,400億円に留まります。米国の現金給付は所得ごとの支給額の違いのあるので、実際にはこのようなシンプルな試算にはなりません。が、ざっくり規模感をお伝えするなら、米国の経済支援は187兆円規模もの「一律支給以外の経済的支援」も用意されているということになります。(図表2)

一律支給以外の経済的支援

個人への現金給付は大人1人に最大1,200ドル(約13万円)、17歳未満には500ドル(約5万3000円)が支給されます。年収が7万5000ドルまでは満額が支給されますが、それ以上の規模の所得者には段階的に金額が減っていく「累進型」を採用しています。

さらに、米国では国としての経済支援に留まらず、各州でも独自の支援策を打ち出しています。州ごとに支援内容が異なりますが、失業者への支給や政府補償を得られない移民に対しても現金給付を行うなど「手厚さ」を感じます。

歴史は繰り返すのか…日本の給付が遅れそうなワケ

日本においてはリーマンショック時には、国民1人当たり1万2000円の「定額給付金」がありました。当時、給付金は自治体を通じて配布されましたが、その際配布のタイミングに非常に長い時間がかかりました。総務省の資料によると当時も給付が決まっても、その支給には半年もの時間がかかったことが明らかになっています。