北海道・東川町では「先払い」の対応をしたことで、すでに給付を受け取った人も出ています。
緊急性を要する一律支給も、場所によって給付格差が生じているという状況です。マイナンバー申請で先行して起きている窓口への問い合わせに人が殺到、という憂き目に遭うことのないようにしていただきたいものです。
戦時中の愚策・戦力の逐次投入を回避せよ
現金給付に限らず、日本政府の対応は後手に回る部分も見られ、非常時の愚策の典型である「戦力の逐次投入」、つまり腰が引けたまま、本質的な解決には直結しない施策を小出しにしている感があります。布マスク配布の話が持ち上がったかと思えば、和牛券の配布などの案が次々に持ち上がってはなくなっていきました。布マスクについて言えば実現はしたものの、不良品問題で未配布マスクの回収というお粗末な対応につながっています。
この「逐次投入」がどれだけひどい悪手であるかは、歴史を紐解けば明らかです。太平洋戦争時のガダルカナル島における米国との戦いにおいて、日本軍は米軍の圧倒的な火力・戦力の規模を何度も見誤り、そのつど相手に劣る戦力をもって相まみえたことで、決定的な敗北を喫する結果となりました。
もともと日米の火力に大きな差があったので、最初から一挙に兵力投入していたとしても、ポジティブな結果が出たとは限りません。が、様子を見つつ、限られたリソースをその都度小出しにしていく「逐次投入」が必ず失敗を招くことは、ガダルカナルにおける夥しい数の犠牲者と相まって、我々の痛切な教訓となっているはずです。そう考えると、現行のコロナ禍の下でその教訓が生かされているとは言い難いのではないでしょうか。