「雇われている人」は雇用調整助成金の対象

一方、飲食店オーナーなどの自営業者の場合は、自らが経営者ですから「雇用保険」の被保険者ではありません。従って売り上げがなければ即座に収入が途絶え、それを補填してくれる社会保険の仕組みはありません。

では飲食店にお勤めの方はどうでしょうか?

自営業の方でも、自分が雇った人は雇用保険に入れなければならないルールですから、先述の休業手当の支給があれば、雇い主はそれを補填する「雇用調整助成金」を申請できるでしょう。

しかし、給付は後払いであることから、「資金繰りが間に合わない」など悲痛な声も聞こえています。また、職場によっては雇用保険の整備ができていないところもあり、経営者としては「休業補償を出してあげたいけれどお金がないのだ」というところもあります。

心配するカップル
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会社都合の失業手当は待期7日間で支給、しかし事業主は……

万が一勤め先が倒産となれば、いわゆる「失業手当」が給付されます。自己都合の転職と異なり、会社都合で仕事を失うと通常3カ月の待期期間が7日間に短縮され、失業手当が始まります。

しかし、経営者が廃業しても、前述のとおり本人は雇用保険の被保険者になりえませんから、失業手当もありません。飲食店に限らず、ご自身で商売をされている事業者の方にとっては、文字通り「コロナ自粛は死活問題」なのです。