「#橋下総理」がトレンド入り。安倍退陣も現実味

国民には「一丸」となって感染拡大防止への協力を要請する一方で、政府内では安倍首相と今井尚哉首相補佐官ら側近グループによる「Aチーム」と、菅義偉官房長官や和泉洋人首相補佐官らによる「Bチーム」の確執が不安定な政府対応を招いているとされる。緊急事態下で各国のリーダーたちが指導力を発揮する中、「一丸」となれない今の政権・与党に辟易としている人々は少なくないだろう。

いまだ「出口」の見えない航路の先には何が待ち構えているのか。ツイッターでは4月22日に「#橋下総理」がトレンド入りしたが、その賛否はともかく、これに脳科学者の茂木健一郎氏は「それなりの反応がツイッター上であるということは、それだけ現状に対する危機感が強いのでしょうね……」と反応した。「1世帯に布マスク2枚配布」の例を挙げるまでもなく、急遽決まった「10万円支給」についても「要望される方、手を挙げる方に配る」(麻生太郎財務相)と国民感情を逆撫でするかのような政権の姿勢は変わってはいない。

自民党を担当する全国紙政治部記者は「安倍首相や麻生財務相たち『世襲政治家』には庶民の苦労はわからないんだ、との思いを国民は抱いている。緊急事態宣言を延長するならば、次はいつまでに終息させるつもりなのかという『出口』も説明しなければならない。それが失敗すれば、『安倍退陣』が現実味を帯びる」と苦言を呈した。

『危機下では安倍首相に任せられない』と責任を問う声…

政府は6月まで1カ月程度の宣言期間延長を検討しているが、その場合には休業要請に応じた事業主に対する国からの「補償」がない中で、活動縮小を余儀なくされている企業へのダメージは格段に増す。入学式や始業式すら行えず、勉強の遅れを心配する保護者や児童・生徒からの不安や不満も限界に近づく。いつまで、どこまで、どうやって――。「その解を夏までに見いだせなければ、『危機下では安倍首相に任せられない』と責任を問う声が噴出するだろう」(自民党閣僚経験者)との声も漏れ始める。

「昨日の敵は今日の友」。権力闘争が繰り返される政界とはいえ、「最速ならば『6月、首相退陣』説が囁かれている」(民放テレビ局記者)という。史上最長の宰相として「一強時代」を謳歌してきたものの、非常事態対応で信頼を失った安倍首相は危機を収束できず退陣を余儀なくされることはあるのか。首相本人の意欲とは別に、すでに「ポスト安倍」として一人の名前が挙がっているという。