不覚にも涙を落とすことさえある
新聞の人生相談が好きなわけではない。その大半が各界著名人の余技みたいなもので、どうしても説教臭さが鼻につくからだ。しかし、日曜日の毎日新聞に掲載される、この著者のコーナーは必ず読む。相談者に常に寄り添う姿勢に襟を正し、居住まいを正して読む。ときに厳しく叱咤激励する一文に、思わず膝を打つ。不覚にも涙を落とすことさえあるのだ。
本書には、2015年4月から19年12月にかけて掲載された相談の中から、100本が抜粋されている。読み通すと、作家ならではの至言がふんだんに散りばめられていることに、あらためて気づかされる。
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