「“しない”ということをする」ことになった

人間社会が重大な危機に晒されるたび、その成員たる個の再定義が進む。

ダイアナ・レナー、スティーブン・デスーザ『「無為」の技法』(日本実業出版社)
ダイアナ・レナー、スティーブン・デスーザ『「無為」の技法』(日本実業出版社)

私たちが「行動変容」という耳慣れぬタームを聞いたのは、まさにそんなときだった。新型コロナウイルスの感染拡大と最前線で闘う専門家や政治家は、「人々の行動変容なくしてパンデミックの収束はない」と語った。