資本主義か社会主義か
本書の主張は極めてシンプルだ。それは「私有財産を禁止し、あらゆる資本を『使用権のオークション』によって取引することによって、『経済成長』と『格差の解消』という、多くの人が両立は不可能だと考えている問題を、同時に解決できる」ということである。
さて、この仕組みは果たして「資本主義」なのだろうか、それとも「社会主義」なのだろうか。答えは「そのどちらでもない」ということになる。この「どちらでもない」という点に実は大きなポイントがある。というのも私たちの閉塞状態は大概の場合、「2つのオプションのうち、どちらも最適解ではない」という状況で発生しているからだ。
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