その場で感じたことをパッとメモする
アイデアは机に向かって考えることもありますが、ほとんどは日常生活のなかで生まれます。現在携わっている「ゾイド」は生体がモチーフ。はじめにどの動物を選ぶかという部分から始まる。私には2歳と4歳の子どもがおり、よく動物園へ連れて行きます。そこで、子どもが食いつく動物や、特徴的な動作などをメモする。その場で感じたことをパッとメモするため、基本的には黒ペン一色です。色を使っているのは、あとから見返したときに、さらに重要な部分に加えたものだと記憶しています。
入社したばかりの頃は、どうしたら商品化できるか自分でもわからないようなアイデアしか思いつかなかった。しかし、開発部にいると日々、最先端の技術に触れることができる。ほかの業界の新技術や新素材、それをどうおもちゃに落とし込むかを考えるようになり、メモもより具体的なものへと変わっていきました。
試行錯誤したメモは今後、他の部署に異動したとしても必ず役に立ちます。私はそう考えているので、たとえば「トミカ」や「リカちゃん」など、自分が担当していない商品についても、アイデアはメモするようにしています。
(構成=プレジデント編集部 撮影=藤中一平)