メモする人とそうでない人は、どちらがビジネスに強いのか。BBT大学副学長の宇田左近氏は「日本人のメモ取り文化は、シリコンバレーで顰蹙ひんしゅくを買うケースも多い。インプット志向のメッセンジャーはお断りだからだ」という——。

※本稿は、宇田左近著『インディペンデント・シンキング』(KADOKAWA)を再編集したものです。

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リーダーはホワイトボードの前に立て

コンサルティング会社にいたときは、答えが見えない難問にしばしば直面した。自分で最初から解決策がわかるような問題だったら、クライアントは外部には頼まない。

その際のミーティングで私は、自分が招集した会議の場合、自分でホワイトボードの前に立つようにしていた。答えが見えない時ほど、何が目的で、どういう議論をしてもらいたいかは、「招集者が責任を持って伝えるべきこと」であり、参加者には、アウトプットを期待し、その前提の中でできるだけ多様な知恵を出してもらいたいという理由だ。

当然ながらミーティングの最初に、目的あるいは期待成果について参加者と共有する。何のためのミーティングで、何を解決しようとしているかをあらかじめ参加者の頭に入れておく。そのうえで、参加者には個々が主導的に思考を働かせながら問題発見と解決を行なってもらいたいので、こちらの言うことあるいは他のメンバーの言ったことをいちいちメモすることで頭が働かなくなるのは、なんとしても避けてもらいたいと考えていた。