09年は法律、法務に向き合うことが要求されるスタートの年

(1)『株式会社の原点』 久保利英明・著 日経BP社
コンプライアンス、コーポレート・ガバナンス、司法制度改革と知財改革など会社経営に関わるタイムリーな法律問題を解説する。
(2)『裁判員になりました』 日本弁護士連合会・監修 日本弁護士連合会
ある殺人事件の裁判員となった主人公の目を通して、新制度の仕組みを漫画でわかりやすく紹介。『PART2』『番外編』の続編もある。
(3)『安部英医師「薬害エイズ」事件の真実』 武藤春光ほか・編著 現代人文社
第1審判決で無罪判決を受けた安部医師。過失の意味を問い直しながら、人権侵害の実態を明らかにする。
(4)『市場と法 いま何が起きているのか』 三宅伸吾・著 日経BP社
粉飾決算、企業買収などを題材に、市場国家を信任していくための「法と担い手」の現状と課題を分析。
(5)『内部統制とは、こういうことだったのか』 國廣 正ほか・著 日本経済新聞出版社
企業の社員は内部統制の文書化で疲弊している。「企業と社員の元気」の基礎となる内部統制のあり方を示す。
(6)『経営改革と法化の流れ』 久保利英明・著 商事法務
ライブドア事件、不二家事件などまだ記憶に新しい企業不祥事の問題点を振り返りながら、コンプライアンスのあり方を学ぶ。
(7)『「法令遵守」が日本を滅ぼす』 郷原信郎・著 新潮新書
表面的な法令遵守が組織内に閉塞感や事なかれ主義を蔓延させ、目に見えない弊害を生んでいることを指摘する。
(8)『倒産処理法入門』 山本和彦・著 有斐閣
新しい実務の動きや関連法令の改正などを織り込みながら、現在の倒産処理の全体像を示す。関連する判例や統計データも豊富。
(9)『どこまでやったらクビになるか』 大内伸哉・著 新潮新書
副業、転勤拒否、セクハラなど、決して他人事ではない身近なトラブルからわが身をどう守るかを学ぶ。
(10)『内部統制時代の役員責任』 鳥飼重和・青戸理成・著 商事法務
役員の法的責任の追及が厳しくなり、悲惨な結末になることもある。そんな企業社会の新常識を明らかにする。
(11)『新版 著作権ビジネス最前線』 久保利英明ほか・著 中央経済社
インターネットの普及にともなう法律問題や、著作権をめぐる最新動向について、具体的に解説する。
(12)『使いこなしたいビジネス法務英文グロッサリー』 原 秋彦・著 商事法務
あるようでなかった、企業法務の英語に関する、用例に応じた単語や成句をまとめた便利な用語集。
(13)『民暴対策Q&A』 日弁連民事介入暴力対策委員会・編著 金融財政事情研究会
市民や企業・自治体関係者が、不当な要求などに遭遇した場合でも適切な排除の対策がとれる、実践的でわかりやすいマニュアル本。
(14)『新会社法』 中村直人・著 商事法務
ガバナンスのあり方はどうすればよいのか、会社とは何かなどの根源的な問いに対するヒントを述べた会社法の基本書。
(15)『リニエンシー時代の独禁法実務』 上杉秋則・山田香織・著 雄松堂出版
日本だけでなく米国やEUにおける独禁法でのリニエンシー制度を紹介。国際的な視点での活用を強調する。

(高橋盛男=構成 田所千代美=撮影)