日本企業はリスクを取ることを嫌うな
イスラエルは最先端の技術を持ったスタートアップが少なくないが、日本の企業は欧米の企業やVCなどと比べて、シードやアーリーと呼ばれる初期段階のスタートアップに対する出資については二の足を踏むケースが多い。
例えば、アーバン・エアロノーティクス(Urban Aeronautics)という会社は、「空飛ぶ車」を開発している。
この空飛ぶ車は大きなドローンのようなイメージで、ほぼ垂直に飛び上がるため、離発着のためのスペースが小さくて済む。そのため、利用する場所を選ばないというメリットがある。
現時点で700kgほどの貨物を載せることができ、すでに無人では250回ほど試験的に飛行している。
今後は被災地など、人がなかなか行けない場所に物資を運ぶなどの活用を検討していくという。
アーバン・エアロノーティクスは、将来的には有人で飛行し、空飛ぶタクシーとして使用することを目指している。実現すれば利用シーンは一気に拡大する。こうした可能性に着目して、ドイツの大手自動車関連企業は同社に出資をしている。
日本企業はこのようなエッジが利いた企業に出資をためらう傾向がある。世界中のVCや企業がイスラエルに注目する中で、日本企業がリスクを取ることを嫌えば、有望なスタートアップとの協業する機会はどうしても減ってしまう。この点について、日本企業は真剣に考える必要がある。